こう見えてもベテランじゃありません。いくつかの職をへた後、私が森ノ宮に入学したのは38歳。その4年後、すなわち卒業から1年で「髙橋鍼灸院優鍼堂」を開業したのです。このように言うと誰もが驚かれます。もちろん“卒後1年で開業するのがよいのかどうか”、意見がわかれることは私も認めます。しかし、私自身は早期の開業をめざして森ノ宮に入学したわけですし、それを可能にするのが「臨床の森ノ宮」と称され続けてきた教育の真骨頂。先生方も私の“早期開業”という気持ちに「その覚悟があるなら」とおっしゃり鍛えてくださいました。また、私は夜間コース生でしたが、昼前から学校に行って自主トレや勉強をしましたし、先生方から個別指導を受けることも少なくありませんでした。いわば“6年間を3年間に凝縮”したような学校生活だったわけです。そのような日々をへての開業から今日まで、自分が思っていた以上に多くの方々が通院してくださり、森ノ宮の恩師の言葉「鍼灸の学びは生涯続く」を今あらためて肝に命じて励んでいます。鍼灸師になろうと考える人の多くが思い描く自院の開業。それを私のように“早期”にするかどうかはさておき、痛みや辛さを抱える方々への責任の重さが、精進のモチベーションとなる開業をめざしてほしいと思います。
鍼灸治療院を開業
開院おめでとうございます。学生時代から高い目的意識を持ち、熱心に勉強されていた姿が今も目に焼きついており、まさに“昨日のこと”のように思います。今後は同じ鍼灸師として、共に生涯を通して学び続けていきましょう。